前回の記事では,教育実習の申し込み方法について自身の体験談をもとに解説しました.この記事では,教育実習本番の体験談をまとめたいと思います.
オリエンテーションから教育実習は始まっている
まず,重要なことはオリエンテーション(教育実習受け入れ校による事前説明会)の時点で,教育実習は始まっているということです.教育実習本期間のスーツ着用はもちろんのこと,特段の指示が無い限りはオリエンテーションの際もスーツ着用で高校に出向くことになります.
また,オリエンテーションの段階で校長・教頭先生及びクラス担当教官の先生,教科指導担当教官の先生へ挨拶をします.ここでの第一印象が重要になります.
オリエンテーションで忘れがちなのが校舎内での履き物(スリッパなど)です. お忘れなく!
オリエンテーションで確認しておくこと
オリエンテーションの段階で確認しておきたいことは,主に以下の6つです.分からないところがあれば,積極的に質問しましょう.
・出(退)勤時刻:特に教育実習初日の集合時間と集合場所
・教育実習生控え室の場所
・使用する昇降口,下駄箱
・教育実習期間中の持ち物
・大学 高校間での書類受け渡し
・教育実習で担当する授業範囲(使用する教材)
特に,オリエンテーションから教育実習本期間まで時間が無い場合は範囲が分かり次第,速やかに教材研究(授業準備)に取り掛かりましょう.
いよいよ教育実習本番
教育実習は,月曜始まりの場合が多いので,土日を使って教育実習に向けた最終準備を進めましょう! とにかく準備 命です.
初日に向けて
持ち物の確認
教育実習初日から忘れ物… という事態を避けるために,持ち物の確認は入念に行っておきましょう.参考までに私が実際に使っていた持ち物を紹介します.
・ノートPC:教材研究(授業準備)に使用
・筆記用具(黒ボールペン,赤ペン):実習日誌の記入,日直日誌へのフィードバック等に使用
・印鑑:教育実習生出勤簿への押印,訂正印として使用
・教材一式:私の場合は授業で使用する教科書を貸与していただきました
・教育実習日誌(大学から配付):実習期間中は毎日記入し,実習終了後に大学へ提出
・バインダー:授業見学の際に使用
・履き物(スリッパ)
・昼食&飲み物:学食が控え室から余程近くない限り,弁当を推奨(時間節約)
挨拶の準備
教育実習初日は,多方面に向けて挨拶をすることになります.わざわざ原稿まで用意する必要は無いと思いますが,簡単な準備はしておきましょう.以下の人に挨拶することを意識してください.
・校長先生,教頭先生:教育実習生として受け入れてくださったことへの挨拶
・全教職員:初日の職員朝礼で全教職員の先生に向けて挨拶をします
・受け持ちクラスの生徒:担任として受け持つ生徒,教科として受け持つ生徒への自己紹介
能動的な姿勢が大切
担当の先生もお忙しい中引き受けてくださっているので,教育実習生に付きっきりということはなく,教育実習生が自分で考えて行動することが大切です.教科指導の先生との打ち合わせや授業見学などは,教育実習生が自発的に行うのが基本です.受け身の姿勢では,いつまで経っても実習に臨むことは出来ないと言っても過言ではないでしょう.
授業準備(教材研究)の姿勢
授業準備(教材研究)の姿勢で重要なのは,「一生懸命 授業準備(教材研究)に取り組んだ」ことがどれだけ先生方に伝わるかということだと思います.入念な授業準備に取り組んだ上で,時間の過不足が生じた,板書が上手くできなかったなどの軽微なミスをしたとしても,強く言われることはまず無いでしょう.逆に言えば,一生懸命 取り組んだことが伝わらなかったために,厳しく指導される可能性は十分にあると思います.
もちろん,本来の趣旨としては,生徒のために授業をするのであって,先生方から高評価をいただくために授業をする訳ではありませんが,教育実習生には成績評価(教育実習の単位認定)という特殊な事情があるだけに,きれいごとだけ言っていても通用しないと思うのです.その上で,少しでもより良い授業にしつつ,先生方にも熱意と努力が伝わる工夫を考えて実践してみました.私なりの結論は,以下の通りです.
・教科書をベースにした授業を展開しながらも,ネットのトピックなど身近な話題や発展的な
内容を取り入れる.
・授業資料は1回で作り切って満足せずに,後から何度も見直し,改善する.
1点目に挙げた「教科書外の情報を取り入れる」というのは,生徒の興味関心を引き出すだけでなく,担当の先生に「この実習生は,ちゃんと勉強してきているな」という印象を与えることができます.
2点目については,「時間を空けて改善する」というのがポイントです.授業準備をしている段階では完璧に仕上げたつもりであっても,後から時間を空けて見直すと,不思議と改善点が見つかるものです.時間を空けることで,新たな情報を手に入れていたり,別の角度・視点から見直したりすることができるで,非常にオススメです.時間を空けて改善するためには,早くから授業準備に取り掛かるしかありません.従って,早めに授業範囲の情報を仕入れておくことが重要になります.
授業範囲は選べる?
担当教官裁量の部分が大きいかとは思いますが,私の場合は模擬授業の単元を選ぶことができました.さすがに,「教科書の全範囲の中から自分の好きなところを選ぶ」という訳にはいきませんが,
教育実習が始まる前の段階で,「1組が9ページまで終わっている,2組が13ページまで終わっている…」という各クラス毎の進捗があり,それを踏まえて自分は「10~13ページを担当したいので,1組を担当する.」といった形でした.
研究授業(査定授業)
教育実習の中で,最大のイベントと言っても過言ではないのが研究授業(学校によっては,「査定授業」と読んだりもします)です.平時の模擬授業では,教育実習生の授業を教科指導の先生1人が教室の後ろから見守るという形ですが,研究授業では,他の先生も(教科内外を問わず)参観されます.研究授業の範囲は,早期に打ち合わせを行い,入念な練習と準備を行えるようにしておきましょう.
研究授業におけるマナー
1つ目については,先生方個人の考えによる部分も大きいかと思いますが,直接手渡しが原則です.予め研究授業への参観が判明している先生方(同一教科の先生,管理職の先生など)については,模擬授業の前日中に手渡しで配付します.学校によって方式や考え方が違うかもしれないので,要確認ですが,一般的に 何も言わずただ職員室の机の上に資料を置いておくのは,失礼とされています.
2つ目は,ご多忙の中授業を参観してくださった先生への礼儀として,お礼を述べ,自分の授業に対するアドバイスをいただきます.そのためには,参観してくださった先生を把握しておく必要があり,授業者当人は研究授業でそれどころではないはずなので,ここで教育実習生同士の協力体制が重要になります.
成績評価
皆さんが気になる部分だと思います.所属している大学や実習校によって,システムや考え方に違いはあるので,参考程度にご覧ください.
成績評価の仕組み
基本的に実習校から所属大学に対して送付される成績報告書(票)をもとに,「教育実習」の成績が付けられます.実習校での成績が大きな割合を占めることになりますが,100%とも限りません.
評価割合については,所属されている大学のシラバス等で確認してください.
大学によっては,実習校からの評価を100%とする場合もあれば,実習校:50% 大学:50% といった要領で按分している場合もあります.
実は,「教育実習」という科目は実習校で行われる2週間の実習のみで完結するわけではなく,大学内で事前・事後指導や場合によっては,大学内で模擬授業を実施します.
従って,大学内で実施される事前・事後指導および模擬授業の評価を反映するため,「実習校:50% 大学:50%」としている大学もあります.
遅刻・欠席に対する扱い
普段の大学生活では,いわゆる「3分の1」ルールが浸透しているかと思います.全授業回のうち,3分の2以上を欠席すると,最終試験の結果によらず不合格となるルールです.従って,学生の間では「3分の1までは休める」という認識になっているかと思います.
遅刻については,「遅刻2回ないしは3回につき,欠席1回とカウントする」という運用が多いかと思います.
普段の生活(教育実習以外の科目)であれば,概ね上記のような認識でも大きな支障は無いかと思いますが,教育実習でそのような考え方は禁物です.
教育実習は,遅刻・欠席に対する扱いは厳格になっており,正当な理由が無い場合はたとえ1回の遅刻や欠席であったとしても,直ちに不合格になる恐れがあります.
大学や実習校によって運用が異なる部分があるため,(遅刻は減点程度に留める学校もあります)一概には言えませんが,遅刻・欠席に対しては学生としての緊張感ではなく,社会人としての緊張感が求められるのは間違いありません.
仮に,体調不良や忌引,公共交通機関の大幅な遅延など正当な理由があるにしても,遅刻・欠席が判明した段階で速やかに実習校に対して連絡を入れる必要があります.
評価項目・評価基準
評価項目は,教育実習録やそれに付属している成績報告書に記載されています.基本的に,成績報告表の様式は各大学が定めるので,その様式に沿って実習校が評価することになります.主な評価項目については,以下の通りです.
・教科指導
・生徒指導,学級運営
・服装,態度,言葉遣い
・教員としての適性
・総合評価
原則として,上記の項目を4 あるいは 5段階で評価されます.大学の様式によっては,さらに評価項目が細分化されている場合もあります.
教育実習の成績はいつ頃確定するのか
実習校から大学へ成績報告書が直接郵送される場合は,実習校からの評価を確認する術がありません.従って,「教育実習」の成績を気にされる方も多いと思います.
各大学によって,成績公開の運用が異なるため,一概に説明することはできませんが,基本的に全ての学生が教育実習を終わり次第,事後指導を実施し,最終的な成績を付けることになります.
従って,「教育実習」の成績が確定し,確認できるようになるのは,10~2月頃になります.

