大学院進学を考える学生にとって,まず候補に挙がるのが“内部進学”ではないでしょうか? 内部進学の場合,入試において優遇措置を受けられたり,学部時代の研究を引き続き遂行できたりするなど,様々なメリットがあります.
この記事では,内部進学のポイントや進学後の情報についてもまとめています.(ただし,本記事内の情報は筆者が所属していた大学の一例であり,全ての大学で当てはまる訳ではありませんので,ご了承ください.)
大学院内部進学のメリット・注意点
大学院内部進学とは,A大学からA大学 大学院にエスカレーター方式で進学することを指します.前述の通り,内部進学には様々なメリットがありますので,それぞれ見ていきましょう.
また,少なからず注意点もありますので,併せて確認していきましょう.
入試優遇
内部進学では多くの場合,入試において優遇措置を受けられます.優遇のレベルについては,所属大学・学部によって多種多様ですが,想定される具体例を紹介します.
推薦入試
内部進学者を対象とした推薦入試を実施している場合があります.推薦入試では,筆記試験が免除され,書類選考に加え,面接や口頭試問のみで合否が判断される場合が多いです.大学によっては,推薦 ≒ 合格確約 に近い場合もあります.
ただし,推薦入試の場合は,合格後に入学辞退出来ない場合がありますので,他大学や他進路(就職等)と併願を希望する場合は,特に注意が必要です.事前に募集要項等を念入りに確認しておきましょう.
また,推薦を受けるにあたり,「GPA 〇.〇以上が必要」,「TOEIC 〇〇〇 点以上が必要」等の条件を課される場合もあります.これらの要件は,一朝一夕でどうにかなるものではありませんので,早い段階から対策をしておく必要があります.
過去問入手
入試の公平性を期すために,内部進学者も外部進学者も入手できる過去問に差異は無いと考えられますが,過去問入手のために大学とコンタクトを取る手間を考えると,内部生の方が若干有利と言えます.
また,大学院入試の問題は,学部科目の定期試験をベースに作問される場合が多いため,この点でも内部生が有利であると言えるでしょう.
大学院科目の先行履修
大学・大学院によっては,大学院内部進学を前提とした大学院科目の先行履修が認められる場合もあります.大学院生は,研究がメインの生活になりますが,修士課程の修了には少なからず大学院科目の単位修得も必要です.(およそ30単位前後)
制度の有無を含めて差はありますが,中には大学院修了要件の半数近くに相当する単位を学部時代に先行履修できる大学もあります.
学部時代の研究を引き続き遂行可能
内部進学の場合,基本的に学部時代の研究を引き続き遂行可能です.しかし,必ずしも学部の研究を継続できるとは限りません.具体的には,以下の事例があります.
指導教員が異動・退職した場合
指導教員が異動・退職した場合は,同じ大学の別の研究室に移籍するケースが多いです.移籍先の研究室で,移籍前の研究を継続できる場合もあれば,できない場合もあります.
また,指導教員が異動・退職しない場合であっても,大学院入試成績やその他大学都合で,研究室移籍を余儀なくされる可能性もあります.
学生都合での研究室移籍・テーマ変更
「卒研で1年間過ごしてきて,どうしても教員(他メンバー)と合わなかった」,「自分の卒研テーマの発展性に限界を感じた.」等の理由により,学生都合で研究室を移籍したり,研究テーマを変更したりする場合もあります.
就活の先送り
学部で卒業する場合は,大学3年生から就活を始めることになりますが,修士卒の場合は,修士1年から就活を始めることになります.従って,実質的に就活を先送りすることができます.
ただし,やむを得ない場合を除き,「将来やりたいことが無いから,何となく院進学する」というのは,あまりオススメ出来ません.
何事も目的意識を持って取り組むことが重要です.また,企業の中には学部卒と修士卒でほとんど給与が変わらない場合もあり,そのような会社に就職する場合は,むしろ損をする場合もあります.(年功序列型の場合,就職が2年遅れることで一番美味しい退職間際の2年分の給与をみすみす逃してしまうことになります.)
内部進学のデメリット(外部進学のメリット)
私自身は,外部進学を検討したことが無いため,体験談としては書けないのですが,実際に外部進学(を検討)した友人から聞いた動機として,以下のようなものが挙げられます.
研究テーマを大幅に変えたい
「研究テーマを大幅に変えたいが,自分の所属する大学(院)に,そのテーマを扱っている研究室が無い」という場合が挙げられます.研究室に配属され,実際に研究を進める中で「あれ思ったものと違うな? もっと他に研究したいことができた!」という考えも出てくるのは,自然なことだと思います.
外部進学の場合,上述のメリットを享受できないという面もありますが,それを覚悟した上で「自分のやりたいことを優先したい!」というのであれば,それも一つの選択肢でしょう.
ただし,大学のホームページやオープンキャンパスでは,“良い情報ばかり”を目にするので,バイアスがかかっていることは忘れないようにしましょう.
就職をより有利にしたい
現在通っている大学よりも上位レベルの大学院を目指す場合がこれに該当します.(いわゆる 学歴ロンダリング)
また,就活拠点により近い都心部の大学院に進学するというのも動機の1つとしては考えられます.
経済面
私立大学に通う学生が学費面を考慮し,「大学院からは,国公立に」と考えるケースもあるようです.
国公立大の学費は,私立大学の学費の$\frac{1}{2}$~$\frac{1}{3}$程度で済む場合が多いため,動機の1つとなるのも納得です.
よくある質問
- Q大学院進学に必要なTOEICのスコアは?
- A
各大学によって異なるため,何とも言えませんが,内部進学の推薦入試に限っては,400~500(LR)点台で合格した事例もあります.
上記の事例は,内部進学の推薦入試とあるように,推薦≒ほぼ合格確約の試験や,英語の得点分を他の科目で相当カバーしているケースだと認識してください.
言うまでもなく高いに越したことはありません.
院試に向けたTOEIC対策は,以下のサイトが参考になります.
https://rinlife.net/
- Q大学院入試の面接ではどのようなことを質問される?
- A
定番の質問は,やはり大学院の志望動機や希望する研究内容です.
質問の形式としては,「大学院では,どのような研究(挑戦)をしたい?」といった具合です.
また,現在の状況(卒研テーマやそれに関する内容)の質問も定番です.
「卒研のテーマは? 卒研のテーマに関連する先行研究は?」といった具合です.

