TA(ティーチング・アシスタント)は,大学や大学院でしか経験できない特別なアルバイトのひとつです.TAには,「勉強しながらお金を貰える」,「職場までの移動時間がゼロ」,「学内なので安全&安心」といった様々な魅力があります.
この記事では,大学院でTAを経験した筆者が仕事内容・時給相場・メリット・注意点まで,リアルな情報を徹底的にまとめました.「未経験でもできる?」「どれくらい稼げる?」「実際どうだった?」といった疑問に答えつつ,TAバイトを始める前に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します!
TAってどんな仕事?
学生にとって身近な存在であることから,何となくイメージしやすいかと思います.その名の通り,大学教員が受け持つ講義の補助が仕事です.あくまでも,補助者という位置付けなので,大学教員に代わって授業を行ったり,受講学生の成績評価に関与することは基本的にありません.ただし,成績評価については,TAの主観が入らない範囲(出席確認,記号・語句問題の採点 等)で従事する可能性はあります.
学生実験の補助・質疑応答
学生実験であれば実験の補助,座学系講義や演習系講義であれば学生からの質問対応が主な仕事になります.この記事をご覧になっている皆さんも,一度は何らかの形でTAに質問をしたり,補助をしてもらったりした経験があるのではないでしょうか.
採点補助
出席確認や記号・語句問題の採点など,TAの主観が入らない(機械的に遂行できる)業務については任される可能性もあります.ただし,その場合であっても最終的な確認や成績処理,成績報告については大学教員が責任を持って行うことになります.
準備・後片付け
特に実験や演習系科目では,準備や後片付けもTAの業務に入る場合が多いです.講義を円滑に進める上で,予備実験や改良実験は欠かせません.講義時間外にこれらの業務を行う可能性もあります.
勤務条件
何と言っても気になるのは,この項目ではないでしょうか.バイト探しをする上で,勤務条件は非常に重要な項目です.
時給
各大学の規定によって異なりますが,1,000~2,000円の範囲で設定されている場合が多いようです.
私の所属している大学では,大学所在地の最低賃金+100円程度 といった具合でした.
元々,TAには大学(院)生のコミュニケーション能力・指導力向上,TAを通じた学びの機会の提供,経済支援といった目的があるため,多少なりとも時給は優遇されている傾向にあります.
勤務地
当然,学内が勤務地になりますので,大学からバイト先の移動時間がゼロというのは大きな魅力です.学内が勤務地である以上,交通費の支給はありませんが,移動時間が一切かからないことを考えれば,それでも十分魅力的だと思います.
勤務時間
TAを受け持つ授業のコマ数がそのまま勤務時間になります.座学系の講義であれば 1~3コマ/週,実験・演習系の講義であれば 2~5コマ/週 が相場といったところでしょうか.
TAの公募・募集
TAの募集については,基本的に学部 or 学科 or コース内で公募ということになっています.しかし,実際問題は自身が所属する研究室・ゼミの先生が受け持つ講義のTAを担当するケースが非常に多いです.前述の方法をもってしても,TA要員を充足できなかった場合は,学部 or 学科 or コース内で公募という形が多いです.
残業(代)
ここでは便宜上,講義時間外に発生する業務を残業と呼ぶことにします.残業発生の有無及びその程度は,担当する講義によって大きく変わってきます.残業が一切無い講義もあれば,残業が多々ある講義もあります.
講義時間外に行った業務について,時給が発生するか否かは大学の規定によって異なります.
国から各大学に配分される運営費交付金は,年々減少傾向にあり,TA雇用を取り巻く環境も厳しくなっています.従って,前章で大学がTAを雇用する意義として,「学生への経済支援」ということを述べましたが,予算に限りがあるため,数あるアルバイトと比較してTAが 「とりわけ美味しいバイトである」とは言い難いのが現状です.(比較的美味しいバイトであることには変わりありません.)
TAのメリット・やってよかったこと
TAには時給・勤務地以外にも様々なメリットがあります.
貴重な教育経験
教育系(家庭教師,塾講師 等)のアルバイト経験が無い学生や教職課程を履修していない学生にとっては,貴重な教育経験の場になります.
講義を受講する学生から自分が思いも寄らなかった鋭い質問が来ることもあり,TA自身も勉強になります.

私は,プログラミング系科目のTAを担当していたため,仕事柄 たくさんのプログラムを目にしてきました.学生によって記述方法は,まさに十人十色であり,「こんな書き方もあったのか!」と日々感服していました.
他研究室の教職員と仲良くなれる
他の研究室の先生が受け持つ講義のTAを担当する場合のメリットです.研究室(ゼミ)配属後は,自身が所属する研究室の教員以外と話す機会は極端に減少します.
そのような中で,TAを通じて他研究室の教職員と雑談する機会が増えるため,(ある程度研究内容が近ければ)新たな視点から研究内容についてディスカッションをしたり,大学のこぼれ話を聞いたりすることができるかもしれません.
TAの注意点・デメリット
魅力的な面が多いTAですが,少なからず注意点やデメリットもあります.
研究・講義との両立
週に数コマの勤務とは言えども,授業や研究でスケジュールが埋まっている大学院生にとっては,大きな痛手になります.
特に,TAのコマと自身が(大学院を修了するために)受講するコマがダブルブッキングする可能性も十分に考えられるため,注意が必要です.
内部進学(A大学からA大学 大学院へ進学すること)の場合,学部在籍時に大学院科目の先行履修が認められることもあります.大学院進学後にTAを希望する場合やTAを任される可能性が高い場合は,時間割を確認してコマの重複があれば,先行履修で計画的に単位を修得しておくと良いでしょう.
就活との両立
企業の合同説明会は,土日開催の場合が多いですが,個別説明会やインターンシップ,面接などは平日に行われる場合が多いため,TAと重複する可能性も十分に考えられます.
万が一,就活等の用事と重複した場合は当該講義の担当教員に相談すると良いでしょう.
実際にやってみてどうだった? よくある疑問も解説
TAになると時間的拘束や質問対応など大変な面もありますが,トータルで考えると非常に良い機会になったと思います.繰り返しになりますが,学生からの鋭い質問はTA自身にとっても勉強になります.
よくある質問
- QTAに求められる理解度は?
- A
さすがにその講義のことを何も分からない(あるいは 全て忘れてしまった)状態で,TAに臨むことはできませんが,100%の理解を求められることもありません.
前述の通り,TAはあくまでも講義の補助者であり,受講者からの質問に対応できなかったとしても最後の砦として大学教員がいます.
その講義について,おおむね6~7割以上の理解度があれば,TAとして従事する資格は十分にあると思います.
- Q(前の質問に関連して)復習は必要?
- A
よほど得意だった科目のTAを担当する場合でない限りは,多少の復習は必要になるかと思います.その科目の定期試験や教科書・ノートの要点を軽く復習する|しない では大きな差があると思います.
- QTAになりたいけど,どうしたら良い?
- A
まずは,学内でのTA公募情報を確認したり,自身が所属する研究室(ゼミ)の先生に相談してみたりしましょう.多くの場合,講義担当教員からTA採用の内定と指導教員の承認を貰った後に,大学と正式に雇用契約を結ぶことになります.
私の所属する大学では,講義開講の数ヶ月前には担当TAが確定していました.TA従事を希望する場合は,早めに情報を確認したり,指導教員に相談したりすることをオススメします.

